11月 01
よく言ってたカレー屋さんで、なんかの話をしていた時に、
そこの店主のおっさんが、「話を理解できない」という話を振ってきた。
頭ぽりぽり掻いて笑顔で照れくさそうに
おっさんはカレーしか作れないから。って言ってた。
この言葉が忘れられない。
肌着のTシャツを着て、一見みっともないおっさんなんだが
作るカレーは絶品で、この店には何度も通ったし、
出かける用事そのものが、このお店のカレーを食べる事であるというのが多々あった。
おっさんはなんで自虐的で卑屈な感じだったんだろう。
カレーしか作れなくても、十分うまいカレーなのに。
もちろん、その時にも、
おいしいカレーを作ってるだけですごいですとかなんか言ったと思う。
自分の出すカレーに自信がないんだろうか?
おっさんは違う人生を歩みたかったんだろうか?
ただ謙遜してるだけなのかもしれない?
しかし、いい年したおっさんがあんな風に自虐できるのか?
この人はきっと余裕もあるんだろう?
いや、人生にまっとうしてしまって、極まってきたんじゃないか?
その後も何度もおっさんのカレーを食べにいった。
この言葉をいつも思い出しながら、おっさんの背中を時折見ながら食べた。
そして、カレーは、いつもおいしかった。
それでいいと思う。
おっさんはおいしいカレーを作るのが役目であってもいいじゃないか?
そう思ってくれた方が楽じゃないか?
自虐しないでほしかったんだが。
おっさんもそれでいいと思って欲しいのに。
この店では美味しかったですまたきますと言って店を出る事にしていた。
自分にとって肯定的であろうと、否定的であろうと、何気なくとも…忘れられない人生のひとこま、一言がありますね。
わたしにもあります。